2022.11.20

代表近藤の実践経営 No.3 投資のサイクルを確立する

 よく会社の決算のタイミングで話題になるのが税金の支払いを下げられないか、という話です。こんな時私は安易な節税はお勧めしていませんし、むしろ納税は多い方が事業は儲かってるから良いのだということをお伝えしています。節税という言葉が世の中でよく使われているせいか、納税は低い方が良いという思想が経営者の頭の中に根付いてしまっている様に思います。

 今の日本の税金の制度はよく出来ていて、納税をしないと会社にお金が残らない仕組みになっています。法人で言えば純利益から30%が税金の支払い、それ以外の70%は会社に残すことができます。この30%という税率が高い為に残しても税金取られるから、それなら使ってしまおうということで決算対策で無理やり消耗品や固定資産を買ったり、無駄な保険に加入したりする会社が多いのではないでしょうか。会社の資金を使って納税を下げるのが節税なのでしょうか?これは節税ではなく自ら業績を悪化させてしまっただけです。

 全損の保険商品やオペレーティングリースなど、課税を繰延する様な特殊な金融商品は遅かれ早かれ国税庁からのお達しで使えなくなるでしょう。つまり資金を使わずに節税や繰延が出来ることは基本的には無いということです。

 会社を継続させるために重要なのは、投資のサイクルを確立することだと思います。投資のサイクルとは、資金の確保→事業投資→利益の増加→資金の増加→次の事業投資、というプラスのサイクルです。節税はこの投資のサイクルにおける利益を圧縮するものなので、資金は増加せず、結果次の事業投資も行えない為、会社は成長せずリスクが高まります。利益の獲得は会社にとって最良の、また無制限の資金調達方法です。自社の投資のサイクルを確立するのか、又は目先の納税を嫌がって安易な節税をするのか、、。10年後20年後には天と地ほどの差が生まれて、自ずと勝ち残る会社が決まります。